注文住宅の予算オーバーは抑えられるの?
注文住宅での家づくりを計画されるご家族には、新しい家への多くのこだわりがあり、理想の家を追求していくと、どうしても予算オーバーしてしまいます。大幅に予算オーバーしてしまうと、住宅ローンの借入額に影響することもあります。そのような結果になれば、家を建ててからの数十年間、家計が圧迫されることにもなりかねません。家を建ててからのゆとりある暮らしを維持する為には、予算オーバーしない、無理なく返済できる住宅ローンの額を固持することが大切です。では、どのようにして予算オーバーを抑えたらよいのでしょうか?
注文住宅にかかる費用を変える要素はたくさんありますが、大きな項目として、住宅の形状と間取りなど、家そのものに関わること、断熱・気密性、太陽光発電など、省エネ・創エネに関わること、耐震性・防犯性など、家族の命と財産に関わることが挙げられます。どれも外せない要素ですが、それぞれの項目について、予算オーバーを抑えるという観点から考えていきましょう。
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住宅の形状と間取りなど家そのものに関わること
これらの要素は、常に目に入る部分であり、生活動線に関わる部分でもあるので、直接的に暮らしやすさに影響があります。その為、多くの人が、内装や外観も含めて、最も始めに考え始める項目なのではないでしょうか?同時に、住宅の形状や間取りは、住宅の安全性や耐久性を損なうことなく、予算オーバーを回避する為の工夫がしやすい項目でもあります。
シンプルな外観
住宅の形状は、凹凸が多くなるほど、建築費が嵩みます。コの字型やロの字型、L字型の家、袖壁やインナーベランダがある家、2階建てで2階が1階より小さい、または1階より2階が大きいというような形状より、箱形の総2階建てという形状の方が、建築費を抑えられます。
屋根の面の数
屋根は、面と下屋数が少ない方が建築費を抑えられます。寄棟屋根や方形屋根のように4面ある屋根より、三角形の切り妻屋根や、一面だけ片流れ屋根の方が、建築費を抑えられます。加えて、同じ屋根の形であっても、軒の出が深いと、建築費は嵩みます。
窓の数とサイズ、開閉方法、機能
窓によっても建築費は影響を受けます。窓の数が多く、それぞれの窓のサイズが大きいほど、窓にかかる費用は嵩みます。窓は、日当たりと風通し、窓からの景観など、快適な暮らしには欠かせない部分です。数を減らす場合には、周辺の環境に合わせて、窓計画を進めることが大切です。隣家の壁が迫っていて、窓をつけても、日当たり、風通し、景観のどれも得られないという面に窓は少なくしても、室内環境には大きな影響はありません。ただし、家全体の明るさや換気の良さを確保する為の窓は、確保する必要があります。
近年は、窓の数が少ない方が、住宅の断熱性が上がることや、建築費を抑えられることから、窓の少ない住宅が増えていることは事実です。しかし、窓からの風や明るさ、暖かさは、暮らしを豊かにしてくれます。予算オーバーになりそうな場合は、窓を減らすことだけではなく、開閉方法についても検討する必要があります。
引き違い窓やFIX窓は、価格が抑えられますが、すべり出し窓、内倒し窓、ドレーキップ窓は、価格が上がります。また、窓の断熱等の機能性や、見た目の良さに関わる窓の材質によって、窓の価格は変わります。木製サッシ+トリプルガラスのドレーキップ窓は、おしゃれで断熱性、気密性に優れた窓ですが高額です。複層ガラスとアルミサッシの窓は、価格を抑えられますが、最低限の断熱性しか得られません。断熱性に関しては、後の章でも触れますが、地域の気候に合わせた断熱性が得られる窓を設けることは、外さない方が良い要素です。
間取りと収納・床面積
間取りを計画する上で大切なことは、家族の暮らしにあった生活動線を確保すること、家族の愛情を育めることと、家族それぞれのプライバシーを確保できることが両立する間取りにすることです。その上で、居室を細かく区切り過ぎず、シンプルに空間を繋げることによって、間仕切壁や建具の数を減らせます。加えて、廊下や玄関ホールなどを造らない、スケルトンタイプのリビング階段を採用する、居室ごとに収納を設けるのではなく、生活動線上に効率の良い大型の収納を設けるといった方法で、床面積が抑えられ建築費が削減できます。
このような間取りは、予算オーバーを回避できるだけではなく、子供の成長や独立など、ライフステージの変化によって、暮らしやすい家の間取りが変わった際に、その変化に対応しやすいという良さもあります。
断熱・気密性、太陽光発電など、省エネ・創エネに関わること
注文住宅は、規格住宅や分譲住宅と違い、住宅の省エネと創エネ性能についても、家族で決めていきます。住宅の省エネ性能は、暮らしの快適さに繋がり、創エネ性能は、家計に影響を与えます。
省エネ…断熱・気密性
窓の機能性も含めて、住宅の断熱性能は、削りたくない部分です。断熱・気密性が十分であれば、季節に応じて最も過ごしやすい室温が維持でき、光熱費の節約もできるからです。ただ、ここで考えておきたいことは、その程度の性能を持たせるかによって、建築費が大きく変わるということです。
断熱性・省エネ性の基準には段階があり、高くすればするほど、建築費は嵩んでいきます。国が定めている省エネ性能は、等級5(平成27年の低炭素基に準相当、ZEH、長期優良住宅も含まれる)等級4(平成25年の基準に相当)、等級3(平成4年の基準に相当)、等級2(昭和55年の基準に相当)の5段階です。
その他に、一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会が定めているHEAT20という基準があります。こちらは省エネ性能だけで断熱性を判断するのではなく、快適さと健康維持も含めたG1からG3までの3段階の基準が定められています。
これらすべてを含めて、最も高い断熱性(省エネ性)を持つ基準は、HEAT20 です。その中でも、最も高い性能を持つ基準はG3、そしてG2、G3、その次にZEH, 誘導基準低炭素住宅、住宅性能表示の省エネ基準(断熱等級4)が続きます。
断熱性能が高いほど、快適な空間が維持しやすくなると同時に、暮らし始めてからの光熱費が抑えられます。一方、新築時には建築費が嵩みます。予算オーバーをせずに、最適な基準を選ぶためには、地域の気候に合わせることと、日当たりや風通し、日射遮蔽など、自然のエネルギーを活用して、温熱環境をサポートする設計にすることが大切です。関東地方であれば、G3ほどの断熱性能は必要ないでしょう。また、敷地周辺の環境に合わせた間取りや窓を計画することで、太陽の熱や自然の風によって、室内の環境を底上げできます。
創エネ…太陽光発電や蓄電池
太陽光発電のパネルは、屋根の向いている方角や、屋根の形状、傾斜角度など、屋根の造り方によって、発電量が変わってきます。加えて、新築時に設置する方が後付けよりも、工事費が抑えられる、引き込み線などの配線を壁の中に収めら、外観デザインを損なわないといった良さもあります。ただ、太陽光発電や蓄電池は導入費用が高額なので、建築費は嵩んでしまいます。暮らし始めてからのランニングコストと比較すると、長い目で見れば、節約になるケースが多いとは言え、新築時に予算オーバーになるリスクは高まります。省エネ・創エネに関しては、新築時に嵩む費用と、家を建ててからの数十年の電気代を併せて考え、導入を検討することが大切です。
予算オーバーを避けるポイント
予算に上限のない家づくりができる家族は少なく、ほとんどの家族が、予算の範囲内で家づくりを進めます。注文住宅で建てることを選んだどの家族にとっても、家族に合った暮らしやすい家を建てたいという想いは共通しています。そして、家が建ってからの暮らしにゆとりを持つためにも、予算オーバーは避けなくてはなりません。予算オーバーを避ける為の方法を考える際には、家づくり全体と、家族の暮らし方を考えた上で、バランスの取れた予算の配分を進めることが大切です。
ライズクリエーションの家づくりへの想い
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