〈“平屋”設計のプロが簡単解説〉知っておきたい“9つ”のデメリット
最近、マイホーム建設の際に、「平屋」を選ぶ方が増えています。
しかし、あまり知られていないのが“デメリット”。
せっかくお金をかけて建てるのですから、後悔したくないですよね。
そこで、今回は「平屋」のメリットとデメリットを詳しく解説します。
これからマイホーム計画を始める方は、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
- 平屋は、デザイン性・快適性・省エネ性・安全性においていくつものメリットがあります。
- コスト面などでデメリット・注意点があるため、事前にこれらについて十分理解しておくことが重要です。
- “ライズクリエーション”は、茨城県でお客様それぞれのライフスタイルにあった注文住宅や、スタイリッシュな建売住宅を数多く手掛けており、平屋の施工実績も豊富です。
Contents
最近“平屋”が人気!“9”のメリットとは?
最近、平屋の建設を検討する方が増えており、若い方からの注目も高いです。
私たち“ライズクリエーション”も、多くのご相談をいただいており、建設棟数は年々増えています。
では、なぜこれほどまでに人気が高まっているのでしょうか?
その理由は、平屋住宅には9のメリットがあるから。
- 生活動線がミニマルでデッドスペースが少ない
- 家族の気配が感じられる
- 風害を受けにくい
- 地震の揺れを受けにくい
- 屋根・外壁のメンテナンス費用が抑えられる
- 光熱費の無駄がない
- 天井高を高くしやすい
- バリアフリーに特化している
- 避難しやすい
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
その① ミニマルな動線でデッドスペースが少ない
平屋は“昔の住宅”を思い浮かばせますが、最近はその無駄のないミニマルな間取りがメリットとして注目されています。
機能性が高く家事負担が減らせるだけではなく、デザイン的にもシンプルにまとめられるため、デザイン住宅においても、平屋は増えています。
また、計画次第では廊下や階段などの移動するためだけのスペースを省けるので、空間をフル活用するのにも有利です。
その② 家族の気配が感じられる
家族との時間が減っているご家庭が増えている昨今、皆が同じフロアで生活する平屋は、個室にいてもなんとなくお互いの気配を感じ取ることができます。
最近は、室内窓などを設け、部屋間を緩やかにつなげる事例も増えています。
2階以上の住宅ですと、「家族がいつ帰宅したかも分からない」というケースも少なくありませんが、平屋なら“さりげなく”家族で時間を共有できます。
(引用:Panasonic|室内窓)
その③ 風害を受けにくい
建物は、その高さが高くなればなるほど台風などの風害を受けるリスクは上がります。
一方、平屋は建物の重心が低いため、万が一強い風を受けても被害を最小限に抑えられますし、周囲に2階以上の建物が並んでいれば、それらが風力を弱めてくれる可能性も考えられます。
飛来物による住宅破損のリスクも、やはり低いです。
そのため、一般的には平屋は風害に強いと言われています。
その④ 地震の揺れを受けにくい
平屋住宅は、耐震性が高いことで知られています。
その理由は、ずばり「構造のシンプルさ」と「建物高さ」です。
平屋の多くは、耐震性の高いシンプルな形状のものが多く、地震力を分散させることができ、倒壊や破損の危険性を抑えられます。
そして、建物の重心が高いほど揺れを助長して建物へのダメージが大きくなってしまいますが、平屋ですとそのリスクも少ないです。
屋根を軽くした方が耐震力が上がると言われているのも、同じ理屈からです。
その⑤ 屋根・外壁のメンテナンス費用が抑えられる
屋根や外壁のメンテナンスをする際に、2階建て以上ですと必ず足場が必要になります。
一方、平屋は工事内容・工事範囲によっては足がが不要な場合もありますし、必要であってもその面積は段違いに少ないです。
そのため、施工費用を抑えられ、長期的に見てもメリットと言えます。
また、外部の不具合・劣化をご自身で見つけやすいため、早めの処置を取れる点も重要なポイントです。
その⑥ 光熱費の無駄がない
いくら家の気密性・断熱性が上がっていると言っても、家全体を適温にするためには、やはり空調しなくてはいけません。
しかし、階段や高い吹き抜けのある住宅ですと、温度調節するまでに時間がかかってしまいます。
それと比べると、平屋は室内容積が少ないため、空調にかかる光熱費が削減できるのです。
その⑦ 天井高を高くしやすい
平屋は、広範囲において天井高を高くすることができます。
天井裏のスペースをなくして斜め天井にすると、一気に開放感が加わります。
ロフトを設けることも可能なので、平屋ながらも上下空間のつながりをプラスできる点も魅力と言えるでしょう。
その⑧ バリアフリーに特化している
平屋を検討する方の中には、バリアフリーを理由にする方も多くいらっしゃいます。
今は階段の上がり降りが苦痛でなくても、将来ご自身が高齢になった時には、どうなるか分かりません。
先を見据えて、生活に必要な空間をワンフロアでまとめておけば、自立した生活が長期間継続できますし、介護するご家族の負担も軽減できるでしょう。
そのため、「ずっと住み続けられるマイホーム」を建てたい方にこそ、平屋を強くおすすめします。
その⑨ 避難しやすい
総務省消防庁の示す火災時の避難限界時間は、なんと出火を確認してから3〜5分ほど。
木造住宅で火元となる部屋から確実に避難するためには、2分程度しかかけられないとも言われています。
2018(平成30)年の調べでは、火災によって亡くなった方の46.8%が「逃げ遅れ」によるものという結果が出ています。
(引用:総務省消防庁|平成30年版 消防白書)
東日本大震災でも、逃げ遅れによって高齢者の方を中心に、多くの方が命を落とされました。
災害時は、一刻でも安全の確保できる場所に逃げることが鉄則です。
室内どこにいても避難経路を確保しやすい平屋は、防災住宅としての側面も持っています。
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“平屋”を建てる前に知っておきたい“9”のデメリットとその対策
平屋は、デザイン性・快適性・省エネ性・安全性においてメリットがある一方で、建てる前に必ず知っておいてほしいデメリットもあります。
後悔のない家づくりを実現させるためには、メリット・デメリットの両方を知り、本当にあなたにとって平屋が適しているかをじっくり検討することが重要です。
- 間取りを成立させるためには広い敷地が必要・固定資産税が高くなる
- 建設コストが高くなりがち
- エクステリア計画により工夫が必要
- 床上浸水の際の被害が大きい
- 周辺環境によって採光・通風が悪くなる
- 太陽光発電の効率が悪くなる可能性がある
- 十分な収納スペースの確保が難しい
- プライバシー性・防犯性の確保に工夫が必要
- 室内のプライバシープ確保が難しい
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
その① 広い敷地が必要・固定資産税が高くなる
生活に必要な空間をワンフロアで完結させるためには、当然ながら広い敷地が必要です。
例えば、建蔽率50%・容積率100%の土地(40坪)に住宅を建てたい場合、二階建てですと最大で40坪の床面積を確保できますが、平屋ですと20坪までしか建物を建てられません。
すると、必然的に空間を確保するために広い土地を用意しなくてはならず、ひいては土地分の固定資産税額も上がってしまいます。
家屋分についても、平屋は屋根・壁などに多くの資材を使うため、資産価値が高いと判断されて税額が高くなる傾向もあります。
そのため、平屋を検討する際には、土地の購入費・建設費だけではなく永続的にかかる固定資産税額についても、事前に確認しておきましょう。
その② 建設コストが割高
平屋は2階建てなどと比べると、地盤改良や基礎工事、屋根工事が増えるため、建設コストが割高になるのが一般的です。
室内に関してはコストのかかる階段がないため多少費用を抑えられますが、間取り次第では廊下が長かったり窓が多かったりするため、全体的に見るとそれほど費用面でのメリットは感じられないでしょう。
少しでも建設費用を抑えるためには、出来るだけ無駄のない間取りプランを採用することがポイント。
廊下をなくして動線をシンプルにすればするほど、構造にかかる費用が抑えられ、その分インテリアデザインや設備機器に予算を充てられます。
その③ エクステリア計画の工夫が必要
外部との距離感が近い平屋にとって、エクステリアの計画は居心地の良さを左右する重要なポイントです。
室内外のつながりや、駐車スペース・玄関との位置関係、室内から窓を通して見える風景にまで気を配らなくてはいけません。
例えば、せっかくリラックスするためのリビングも、窓を見るとすぐ近くに車が停まっているとどうでしょう。
せっかくの開放感が台無しです。
建蔽率の制限があるため、“道路が目の前”ということは少ないかもしれませんが、2階建てよりも、より屋内外の位置関係を十分検討するようにしましょう。
その④ 床上浸水時の被害が大きい
日本は、世界でも有数の“台風大国”。
毎年大型の台風がいくつも上陸します。
私たち“ライズクリエーション”がオフィスを構える茨城県内でも、過去に多数の床上浸水が確認されています。
家の床上まで水が侵入すると、通常の生活は難しくなるでしょう。
2階建て以上の場合は、1階から上に一時避難することもできますが、平屋ですとそうもいきません。
また、基礎面積が広いため、床下浸水でもその後の復旧費用が高くなってしまいます。
そのため、床下・床上浸水のリスクが高い大きな河川付近の土地や、周囲より低い土地では、平屋にあまりこだわりすぎないことをおすすめします。
気になる土地の“洪水リスク”を事前に知りたい方は、国が公表している「ハザードマップ」を活用しましょう。
洪水の被害を受けやすいエリアが簡単に確認できます。
(引用:ハザードマップ)
その⑤ 採光・通風が確保できない場合がある
周囲が2階建て以上の住宅に囲まれており、隣地との距離が近い場合には、どうしても十分な採光や通風が確保できません。
そのため、配置計画を考える際には、必要以上に隣の建物と離すことをおすすめします。
敷地にゆとりがなくそれが難しい場合には、中庭を設けるなどの工夫が必要です。
また、隣地が現状は空地であっても、大きな区画ですとアパートやマンションが建ってしまう可能性もあるため、土地探しの際には、周囲の土地開発についても情報を得ておくと良いでしょう。
その⑥ 太陽光発電効率が低い場合がある
周辺環境によって日当たりが悪いと、当然ながら太陽光発電の効率も良くありません。
「せっかく広い屋根があるから太陽光パネルを設置したい」という方は、特に気をつけましょう。
太陽光パネルの発電効率が最も良いとされているのは“真南”で、それに次ぐのが“東南・南西”です。
その方角に日中日差しを著しく遮る建物や樹木などがないか確認してください。
平屋におけるもう一つの注意点が、太陽光パネルによる反射光です。
パネルに反射した光が隣家などの窓に当たったり、通行する人の目に触れると、ご近所トラブルに発展しかねません。
このように、平屋に太陽光発電を取り入れる際には、2階建て住宅以上の配慮が必要であり、緻密なプランニングが重要となるのです。
その⑦ 収納スペースの確保が難しい
2階建以上ですと、階段下収納などを設けることもできますが、平屋ですとそのようなオプション的スペースを作ることが難しくなってしまいます。
また、ただでさえ生活空間を確保するために広い敷地が必要となるため、クローゼットなどのスペースを妥協せざるを得なくなるかもしれません。
適宜、床下収納や屋根裏収納などを取り入れてみてください。
また、造作家具を用いて、限られたスペースを無駄なく活用することもポイントです。
・意外と知らない「造作家具」の特徴とは?“10”の注意点を紹介
その⑧ プライバシー性・防犯性の確保に工夫が必要
前面道路と生活空間との距離が特に短い平屋では、プライバシー性や防犯性の確保に、より気を配らなくてはいけません。
通行人の目線を遮る植栽計画や、侵入者の隠れる場所がないエクステリア計画がポイント。
一見、相反するように感じるかもしれませんが、どちらも実現させるのが施工会社の“腕の見せ所”。
平屋建設に実績のある会社へ相談することが重要です。
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その⑨ 室内のプライバシー確保が難しい
2階以上ある住宅の場合は、階が違うだけである程度の音が遮断されますが、平屋の場合は空間同士の距離が近いため、どうしてもお互いの話し声や生活音が気になるかもしれません。
部屋と部屋の間に廊下を設ける方法もありますが、それでは平屋の持つコンパクトな動線が損なわれてしまうでしょう。
そこでおすすめの方法が、部屋と部屋の間に収納を設ける方法です。
収納スペースの確保と音対策の一石二鳥となります。
リビングと寝室を出来るだけ離して配置するのも有効です。
・家の断熱の基準と断熱を表す数値や工法の違い
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・ライズクリエーション新築|家づくりの流れ
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まとめ|メリット・デメリットの両方を知って平屋を建てましょう
平屋には、デザイン性・快適性・省エネ性・安全性においていくつもメリットがあります。
そのため、老若男女の方から人気が高まっており、関東でも施工事例は増えています。
しかし、メリットがある反面、土地の広さやコストの高さなど、知っておかなくてはいけないデメリットがあるのも事実です。
「人気だから平屋にする」と安易に決めるのではなく、デメリットもきちんと知った上でじっくり検討しましょう。
後悔のない平屋づくりを実現させるためには、施工実績の豊富な会社へ相談するのがおすすめ。
今まで培ったノウハウを活かし、あなたに合った平屋住宅を提案してくれるはずです。
「家づくりを何から始めればいいか分からない」という方は、まず“ライズクリエーション”までお問合せを。
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