平屋のデメリットはメリットより大きい?屋根やコの字で解決できる?

平屋のデメリットはメリットより大きい?

マイホームは平屋にしたいと希望するご家族が多い一方、現実的には平屋をあきらめるご家族も少なくありません。その理由は、土地の条件によっては、平屋のデメリットがメリットを上回ってしまうからではないでしょうか?平屋のデメリットを土地や、ロの字やコの字などの住宅の形状、片流れ屋根などの屋根の選び方で克服できれば夢が実現します。

平屋のデメリットがメリットより大きくなってしまう原因

平屋にデメリットは主に、土地の面積と土地周辺の環境によって生まれます。平屋に向いている土地を選ぶことで、平屋のデメリットはほとんど解消でき、メリットしかない家になるということが、平屋の最大のデメリットです。リゾート地のように広々として自然に囲まれた環境であれば、暮らしやすい平屋が建てられますが、住宅地では隣家との距離によっては、暮らしにくい平屋になってしまいます。

しかし、実際に平屋を建てるのは住宅地です。では住宅地に建てる平屋のデメリットを解決するにはどうしたらよいのでしょうか?

建築事例

平屋にあるたくさんのメリットを活かすためには、基本的な条件があります。その条件を満たせれば、平屋は理想の住宅として、家族の幸せな暮らしを育みます。
コラム 平屋のメリットを活かした家づくりとは?

コの字型やロの字型が平屋のデメリットを解消する?

ヴィラリゾート風平屋

ヴィラリゾート風平屋

平屋には、陽射しや自然の風を採り入れにくいという問題点と同時に、隣家や通りからの視線が家の中に入ってくる、防犯性が低いという問題点もあります。日当たりや風通しを良くするために、窓をたくさん設けると、隣家や通りからの視線も同時に家の中に入ってくる上に、防犯性も低下してしまいます。

2階建てであれば、住宅地であっても吹き抜けを設けるなどの方法で、2階からの陽射しを1階に届け、高低さのある窓によって、風通しを良くすることができます。また、2階にある寝室なら、就寝時には窓を開けたままにすることもできます。しかし平屋の場合は、この2つの相反する問題点を同時に解決しなくてはなりません。その方法として考えられる住宅の形状がコの字型やロの字型です。

防犯性とプライバシー確保という面から考えると、ロの字型が最も理想的ですが、コの字型でも暮らしやすい平屋が実現します。コの字型やロの字型の平屋のメリットは、どちらも内部に中庭を設けることで、全ての居室の窓が庭に向けられることから生まれます。

プライバシーが確保できる

隣家や通りからの視線を気にすることなく窓を開けられます。交通量の多い通りに面している敷地では、家の中に侵入してくる騒音も防げます。

風通しが良くなる

2方向以上に窓を設けられるので、風の通り道が拡がり換気の良い家が実現します。

日当たりが良くなる

長方形の平屋の場合、家の中心部に陽射しが届かないという問題があります。しかし、中庭を囲んでいるコの字型やロの字型の平屋では、直接届く陽射しが届かない部屋にも、間接光が採り入れられます。その結果、晴れた日の昼間には、照明をつけなくても日常的な作業ができる明るさが得られます。

防犯性と庭の安全性が向上する

外に向かう窓がないので、侵入強盗などの被害から家族を守れます。また、子どもを庭で遊ばせる際も、外部からの侵入者のリスクが極めて低い、大人がどの部屋にいても庭に目が届くという良さがあります。加えて、庭が通りに面していないので、子どもがボール遊びなどに夢中になって道路に飛び出してしまう心配がありません。

また、仕事の時間帯の都合で、日が落ちてから洗濯物を取り込む日が多いと、侵入強盗犯の下見の際に昼間は留守の家として、チェックされてしまう可能性があります。中庭なら、外部から庭の様子を外部からチェックできないので安心です。

家族それぞれのプライバシーが確保しやすい

平屋には家族の気配が感じやすいというメリットがある一方、家族それぞれのプライバシーが確保しにくいというデメリットもあります。在宅ワークや、受験勉強中の子供など、集中力が必要とされる時に、リビングの楽しそうな談笑の声が気になってしまうこともあるかもしれません。

中庭があると、平屋の居室を緩く区切ることができ、家族の気配は感じつつ、必要な時にはそれぞれのプライバシーが確保できます。その為、部分共有型の二世帯住宅に最適な間取りにもできます。

建築事例

ロフトは活用しにくく、無駄になってしまう場合があります。使いやすいロフト、活かせるロフトにする為に、必要なこと考えていきましょう。
コラム 平屋のロフトは活用できる?使いやすいロフトと無駄になるロフト

平屋のメリットをさらに増やす片流れ屋根と太陽光発電

広々ウッドデッキのヴィラ・リゾート風平屋

広々ウッドデッキのヴィラ・リゾート風平屋

平屋の良さはワンフロアで生活が完結することですが、同じ敷地内に建てる場合、総2階建ての家の比べると、半分の床面積しか得られません。その為、敷地の面積によっては、十分な居住面積が得られない家になってしまう恐れがあります。その問題を解決する方法として片流れ屋根を採用した間取りが考えられます。

片流れ屋根の平屋は小屋裏空間を利用できる

片流れ屋根にすると、大きな小屋裏空間が得られます。その部分を活用してロフトを造ると、収納に利用できるほか、ちょっとした部屋としても使えます。ロフトは使いにくいというイメージを持たれている方は多いと思いますが、階段のタイプによっては便利に使えるスペースにできます。

収納スペースとして使う予定でロフトを設けたが昇り降りがしにくく、荷物の出し入れができないので使っていない、部屋として使いたかったが夏は暑くて使えないというような理由が、ロフトが使えないスペースになってしまう主な原因です。

そのようなロフトにしない為には、固定階段にすることと、屋根の遮熱性能を高くすることが必要です。

屋根の勾配によって高い位置に窓を設けられる

片流れ屋根の平屋は、高い位置に窓を設けることができます。高い位置の窓からの陽射しが家の中に届くので、日当たりを確保しにくいという平屋のデメリットが解消されます。また、窓に高低差ができるので、風通しがわるいという平屋のデメリットが解消されます。低い位置にある窓から高い位置にある窓へと風が通り抜けて、室内の熱を排出することに加えて、換気の良い家になります。

屋根の傾斜を活かして開放的な空間を造れる

片流れ屋根の傾斜が小屋裏を拡げ、家の中を開放的な空間にします。南側の軒の出を深くすると、夏は日射を遮蔽して室温の上昇が抑えられ、冬は暖かい陽射しを採り込んで室内の温度を上昇させられます。

平屋の片流れ屋根は太陽光発電に向いている

平屋には2階建て住宅に比べて屋根が大きくなるため、建築費が嵩むというデメリットがありますが、その一方、太陽光発電には有利です。太陽光パネルの量を増やせるからです。また、屋根の向く方向、屋根の傾斜角度を太陽光発電に最適な設計にすれば、効率よく太陽からのエネルギーを得られます。太陽光発電は、導入時に費用がかかりますが、十年単位で暮らし始めてからの光熱費を考えると、省エネに繋がります。

 ■ 平屋には子育て中から高齢になるまで、安全に快適に暮らせる家ですが、土地の選び方によっては、暮らしにくい家になってしまいます。平屋のメリットを活かせる土地選びと、土地周辺の環境に合わせた住宅の形状と間取りにすることが大切です。

「郊外でゆったり暮らしたい」「今は子育てをしているが、終の棲家にできる家にしたい」とお考えを基に家づくりを進めているご家族にとっては、最適な家づくりではないでしょうか?

建築事例

平屋は、子育て中には子供を見守りやすい、家族の自然なコミュニケーションの機会が増えるといった良さがあり、高齢になった時には、バリアフリーな環境を調えやすいという強みを持っています。そして暮らしの変化に応じて間取りを変えられる造り方をしておくと、一生涯暮らしやすい環境を維持できます。

コラム 新築平屋をおしゃれにするポイント

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