木造軸組構法のデメリットは?欠点を知ることで後悔のない住宅づくりを実現

木造住宅のデメリットは?

 

日本において最も古くから用いられている「木造軸組構法」。

最近は、ツーバイフォー工法やRC造、S造など他構造の住宅も増えていますが、やはり今でも戸建住宅においては多く採用されている工法です。

そのため、意外とデメリットについて知らない方も多いでしょう。

そこで、今回は「木造軸組構法」のデメリットとその対策、メリットを詳しく解説します。

欠点・弱点とその解決策を事前に知っておくことで、「こんなはずじゃなかった」という後悔を避けられるはずです。

これからマイホーム計画を始める方は、ぜひ参考にしてください。

 

 


コラムのポイント

  • 木造軸組構法には、いくつかの弱点・欠点があるため、それらに対策を講じられる施工会社に相談することが重要です。
  • 木造住宅には、意外と知られていないメリットもあるため、それらについて理解を深めておくこともポイントです。
  • “ライズクリエーション”は、茨城県でお客様それぞれのライフスタイルにあった注文住宅や、スタイリッシュな建売住宅を数多く手掛けており、平屋の施工実績も豊富です。

 

 

 

木造軸組構法とは?

木造軸組構法とは?

 

木造軸組構法(工法)は木造軸組在来工法とも呼ばれており、日本において最も古くから施工されている技術で、その信頼性は世界中でも認知されています。

柱・梁などの軸組(線材)部材を組み合わせ、建物の荷重を支えます。

 

木造軸組構法

(引用:公益財団法人 日本住宅・木材技術センター

 

木造軸組構法と比較されるのが、木造枠組壁構法(ツーバイフォー)ですが、こちら枠組みにパネル材を貼り、面で荷重を支えます。

 

枠組壁工法

(引用:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会

 

北米を中心に長く施工されている工法で、日本においては明治初期から徐々に普及したとされています。

 

ポイント

木造軸組構法は「線」の組み合わせにより荷重を支え、木造枠組壁構法は「面」で耐力を確保します。

 

 

 

 

木造軸組構法の弱点・欠点は?対策や解決方法はある?

木造住宅の欠点・弱点とその対策

 

木造軸組構法を提案するハウスメーカー・工務店は、他構造と比べても段違いに多いため、あまりそのデメリットについて疑問を感じない方も多いでしょう。

しかし、弱点や欠点がない訳ではありません。

それらを理解し、きちんと対策をとることが重要です。

木造軸組構法のデメリットは主に5つ。

 

  • 耐震性を上げるためには工夫が必要
  • 腐朽・シロアリへの対策が必須
  • 寿命を長くするためにはお手入れが必須
  • 施工会社によって性能に差がある
  • 工期が長くなる可能性も

 

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

 

その① 耐震性能を上げるためには工夫が必要

線材で建物荷重を支える軸組構法ですが、どうしても地震力などが加わると四角の枠組みが菱形へと変形しやすい性質があります。

その対策としては、柱(縦材)と梁(横材)などの接合部に補強金物をつけたり、筋交(斜め材)を加えたりすることが有効です。

新築住宅においてはこれらが建築基準法で義務付けられているため、それほど心配ありませんが、1981年5月までに建てられた住宅は“旧耐震基準建物”であるため、耐震性が十分でない可能性もあります。

その場合は、耐震診断・耐震補強を速やかに手配してください。

最近では、高度な「耐震・免震・制振」技術が一般住宅にも取り入れられており、地震への強度はどんどん高まっています。

 

ポイント

「耐震」耐力壁をバランスよく配置して、“強さ”で地震に耐える技術
「免震」基礎と建物の間にローラーなどの免震装置を配置し、地面からの地震力を建物へ“伝えない”ことで被害を抑える技術
「制振」ダンパーなどの制振装置を用いて、建物に加わる地震力を“吸収して”被害を最小限に抑える技術

 

 

 

その② 腐朽・シロアリ対策が必須

こちらは軸組構法・枠組壁構法どちらにも共通する問題ですが、木造住宅の主材料である木材は、その含水率が上がると腐朽やシロアリ被害をもたらします。

含水率が上がる原因は、ズバリ「結露」。

結露によって発生した水分が木材に止まると、腐朽菌やシロアリにとって繁殖・生息しやすい環境となってしまうのです。

そのため、断熱性を上げるなどの結露対策や、防蟻材の定期的な注入が欠かせません。

また、古い住宅ですと、床下の土壌が露出している「布基礎」が採用されている可能性が高いため、より湿気が上がりやすく、何も対策しなければシロアリ被害に遭いやすいです

布基礎の住宅にお住まいの方は、床下除湿剤や床下換気扇を設置するなどの対策を検討しましょう。

 

ポイント

木材含水率が20%を超えると腐朽菌が繁殖し始め、25%を超えるとシロアリにとって好条件となります。
そのため、特に湿気の篭りやすい床下などは徹底した対策が必要です。

 

 

 

その③ 寿命を長くするためにはお手入れが必須

いくら結露対策をしていても、屋根や外壁の劣化が進めば、雨漏りによって水が侵入してきます。

全ての建築物に言えることですが、雨漏りは家の寿命を大きく縮めてしまいます。

特に、木造住宅の場合には腐朽やシロアリ被害につながるため、主要な構造部の耐久性低下に直結しかねません。

そのため、新築時から将来を見据えて「維持保全計画」を立て、それに沿って定期的な点検やメンテナンスを実行する必要があります。(参考:長期優良住宅化リフォーム推進事業事務局|維持保全計画の参考様式

 

 

 

その④ 施工会社によって性能に差がある

木造軸組構法は、建築技術が進んだ現代においても、住宅で最も採用されている構造です。

そのため、施工会社を迷ってしまう方も少なくありません。

選択肢が多い分、施工会社によってそれぞれ特色は様々。

耐震性・断熱性・デザイン性などに差があるため、会社選びをする際には、必ずコンセプトをきちんと把握する必要があります。

 

 

 

その⑤ 工期が長くなる可能性も

軸組構法・枠組壁工法共に、現在では工場でプレカットされたパーツを組み立てるケースが主流なので、昔ほど手間は掛からなくなりました。

しかし、やはり、部材数の多い軸組構法の方が、どうしても工期が長くなってしまいます。

特に、注文住宅の場合には間取りによって緻密な細工が必要となることも多いため、どうしても施工手間がかかる点は否めません。

しかし、これらの期間は丈夫で高性能な家にするためには必要な時間。

引っ越し時期が決まっている場合には、建売住宅の購入も視野に入れてみてください。

 

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木造軸組構法のメリットは?

木造住宅のメリットや強みは?

 

木造軸組構法にはいくつかのデメリットがあります。

しかし、これまで多くの住宅に取り入れられてきた実績もあります。

その理由は、デメリットの反面メリットも多いから。

木造軸組構法のメリットが主に7つです。

 

  • 歴史が長く信頼性が高い・施工会社が多い
  • 建設コストや改修(リノベーション)コストが抑えられる
  • 設計自由度が高い・大開口や大空間を作りやすい
  • 将来を見据えた可変性が高い
  • 断熱性が高い
  • 意外と火事に強い
  • 環境負荷が少ない

 

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

 

その① 信頼性が高く施工店も多い

木造軸組構法の歴史は、なんと縄文時代にまで遡り、竪穴式住居で既に原型が生み出されていたと言われています。

その後、寺社仏閣に取り入れられ、多くの地震被害などを教訓に、時代と共に劇的な進化を遂げてきました。

日本の軸組構法技術は世界でも高い信頼を受けており、国内では住宅に限ると最も普及している工法です。

そのため、施工会社は多く、施主にとっても選択肢が多い点はメリットと言えるでしょう。

 

 

 

その② 建設・改修コストが抑えられる

RC造やS造などと比べても建設コストのかからない木造住宅ですが、その中でも特にコストが低いのが軸組構法です。

 

平成10年度の住宅金融公庫融資住宅を対象にした工法別の全国平均では、ツーバイフォー工法は184,254円/m2(約61万円/坪)、プレハブ工法は188,462円/m2(約62万円/坪)、木造軸組工法171,108円/m2(約57万円/坪)であり、建設地域の違いも影響していますが、木造軸組工法が一番安くなっています。

(引用:一般社団法人 日本木材情報総合センター|木材利用相談Q&A

 

住宅構法別の建築費(坪単価)

住宅構法 平均
建設費
(万円/坪)
建 設 費 別 割 合(%)
40万円未満 40~50万円未満 50~60万円未満 60~70万円未満 70万円以上 不 明
木造軸組 52.6 5.9 27.3 41.3 16.9 5.1 3.4
ツーバーフォー 57.6 3.6 15.3 39.5 23.0 12.8 5.8
プレハブ 58.0 3.0 12.0 41.6 30.2 11.5 1.6



木質系 57.6 4.5 12.2 39.1 30.9 29.9 28.8
鉄骨系 58.1 2.1 11.8 43.5 29.9 11.1 1.6
コンクリート系 59.6 1.7 13.6 35.6 28.8 16.9 3.4
鉄筋コンクリート 60.6 1.5 7.5 32.8 40.3 14.9 3.0
在来鉄骨 61.6 0.8 14.6 32.3 24.6 25.4 2.3
その他 59.6 0.0 11.1 48.1 18.5 14.8 7.4
資料:住宅金融公庫編「住宅・建築主要データ調査報告 平成8年度戸建住宅編」
注)住宅構法の不明なものは除いた。

(引用:一般社団法人 日本木材情報総合センター|木材利用相談Q&A

 

新築時のコストだけではなく、改修(リノベーション)時のコストを抑えられる点もポイント。

木造軸組構法の改修には、大掛かりな重機が不要ですし、材料費も他構造より比較的安価です。

 

 

 

その③ 設計自由度が高い・大開口や大空間を作りやすい

軸組構法は設計自由度が高い

先でもお話しした通り、枠組壁構法は「面」で耐力をまかなうため、どうしても壁を多くしなくてはいけません。

そのため、広々としたLDKや、吹き抜け全面の大開口などを実現することが難しいのです。

一方、「線」の組み合わせで耐力を確保する軸組構法では、梁せい(梁の太さ)や構造体接合金物の組み合わせによって、大きなスパンで開口部を実現できます。

そのため、木造住宅の中では、最も設計自由度が高いと言って間違いありません。

 

 

 

その④ 可変性が高い

壁で建物荷重を支え、変形を抑える枠組壁構法は、将来的に間取り変更をしたくても、位置を変えることはおろか、開口部を増やすことすら難しいです。

一方で、軸組構法は、重要な柱・梁・筋交を動かさなければ、間仕切り壁を撤去・移動することができます。

フルリノベーションであれば、柱・梁・耐力壁を移動して補強できる可能性も決して低くありません。

そのため、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、リノベーションしながら何世代にも渡って住み継ぐこともできるのです。

 

 

 

その⑤ 断熱性が高い

昔は「木造住宅=寒い」というイメージが強かったかもしれませんが、実は木材自体は断熱性に優れています。

熱の伝わりやすさ(熱伝導率)を鉄と比較すると、なんとたった1/500にすぎません。

 

建築材料の熱伝導率比較

(引用:林野庁

 

つまり、本来なら木造住宅は断熱性が高いということ。

古い住宅が寒いのは、その気密性に問題があるからです。

壁・床下・天井裏に十分な断熱材を入れ、さらに構造体の隙間を極力少なくすることで、家の保温性は高まります。

ただし、ここで気をつけなくてはいけないのが「内部結露」です。

湿度の高い空気が壁内などに止まると、結露を引き起こし、柱などの構造体劣化につながります。

そのため、最近では「通気構法」を採用する木造住宅が多いです。

 

木造通気構法の仕組み

(引用:NPO法人 住宅外装テクニカルセンター

 

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その⑥ 意外と火事に強い

木材は燃えやすいので、「火事に弱い」と思われがちですが、実はそうとも言えません。

中小規模建築物において、木造は強いという考え方もあります。

確かに、金属と比べると発火するリスクは高いですが、燃え進むのが遅く、ある程度燃えてしまえば、表面が炭化して酸素の供給が途絶えるので、自然に鎮火してしまうのです。

一方、鉄骨は発火しにくいものの、加熱によって強度が一気に低下するため、崩れ落ちるまでの時間が短いという懸念点があります。

 

建築材料・加熱時の変化比較

(引用:一般社団法人 日本木材情報総合センター|木材利用相談Q&A

 

火災時に亡くなられる原因の多くは「逃げ遅れ」によるものなので、避難時間の確保は、安心安全な暮らしを送る上で欠かせません。

その観点からも、木造住宅の耐火性はメリットと言えるでしょう。

 

火災の死亡原因

(引用:総務省消防庁

 

 

 

その⑦ 環境負荷が少ない

こちらも木造住宅全般に言えることですが、環境負荷が少ない点は大きなポイントです。

建設から解体までに排出されるCO2量が他構造よりも明らかに少なく、さらに木材を育てる森が活性化することで、多くのCO2を吸収してくれます。

 

住宅建設時のCO2排出量比較

(引用:環境省

 

「森の木々を切って木材は作られるのだから環境破壊につながるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、森林は伐採と植林を繰り返すことで、より生き生きとするため、木材として使われなくては衰退していってしまうのです。

 

木材利用の促進・森林サイクル

(引用:林野庁

 

つまり、木造住宅はCO2削減に一役買っているということです。

 

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まとめ|メリット・デメリットの両方を知ることが大切

木造軸組構法は多くの住宅で採用されているため、そのメリットやデメリットについてあまり知らずに「なんとなく」で選んでしまう方も少なくありません。

しかし、弱点・欠点や、他の構造と比べて優れている点があります。

それぞれを知った上で、あなたの理想に近い住宅を実現できるかどうかをじっくり検討してください。

後悔のないマイホームづくりを実現させるためには、施工実績の豊富な会社へ相談するのがおすすめ。

今まで培ったノウハウを活かし、あなたに合った住宅を提案してくれるはずです。

「家づくりを何から始めればいいか分からない」という方は、まず“ライズクリエーション”までお問合せを。

茨城県南部と千葉県東部を中心に、数多くの建売住宅・注文住宅建設やリノベーションを行なっています。

「住みやすい家にしたい」という方は、ぜひ施工事例をご覧の上、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

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私たち“ライズクリエーション”は、注文住宅も建売住宅も手がける建築会社です。

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監修者情報

ライズクリエーション編集部

株式会社ライズクリエーション ライズクリエーション編集部

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