木造住宅の寿命と国交省が定める耐用年数の違い
木造住宅は長期間に渡る住宅ローンを払い終わる前に寿命がきてしまうの?木造住宅の耐用年数22年と聞いた時、そんな風に感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか?国交省の定めている耐用年数は確かに22年ですが、木造住宅の寿命を表す年数ではありません。木造住宅の寿命はもっと長く、新築時の建築技術や設計次第でもっと伸ばすことができます。
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木造住宅の寿命と耐用年数の違い
耐用年数とは、中古住宅の減価償却の期間によって資産価値を表す為に法的に定められている年数のことです。住宅ローンの対象とならない店舗住宅の店舗部分を減価償却している場合には、減価償却費として税金から差し引かれる期間でもあります。中古住宅を購入する人にとっては、住宅ローンの対象になるかどうかを判断する一定の目安になります。
参考資料 東京都主税局 機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表
では木造住宅の寿命はどの程度の年数なのでしょうか?海外に比べて日本の住宅は寿命が短いと言われることがあります。確かに一時期は木造住宅の寿命が短かった時期があります。しかし、古い日本の住宅は長い寿命を保っていました。そして数年前から木造住宅の寿命は再び延び始めています。
「建物の平均寿命実態調査」によると1997年には木造住宅の平均寿命は43,53年でしたが、2006年には54年、2011年には65,63年と長くなっています。長く住まえる家にする国の施策に沿って、現在はさらに長くなっているはずです。
参考資料 中古住宅の建物評価の実態 国土交通省【指針参考資料5】 建物の平均寿命について
木造住宅の寿命が延び続けている理由の一つは、住宅の造り方に対する考え方の変化を国の政策として促していることです。第二次世界大戦が終戦したいわゆる戦後の時代には、多くの人々が家を失いました。その為、大量の住宅を短期間で建てる必要があり、ずさんな建て方をされて家が多くありました。
また、石油由来の合成建材が多く使われるようにもなり、シックハウス症候群を起こすような家も増えました。さらに、数十年前から家庭での省エネの為、住宅に対する断熱性の高さが求められるようになりました。最小限のエネルギーで家の中の室温を調節して、電気やガスの消費量を減らし、一般家庭での消費エネルギーを減らすことが目的です。
ところが、断熱性を高める家に対する設計力や建築技術が伴わず、断熱性は高くなったが内部結露が発生して、住宅の寿命が短くなるといった家が増えてしまった時期もありました。そのような技術的な問題が解決された現代では、寿命の長い木造住宅が増え続けています。従って、法定耐用年数である22年で木造住宅は住めない家になるという訳ではありません。子や孫の代まで住み続けられる木造住宅が増えています。
コラム 快適な家を実現したい
木造住宅の寿命が長い理由
日本では、長く木造住宅が人々に親しまれてきました。昔の木造住宅は、昭和の後半から平成の中頃までに建てられていた問題の多い住宅ではなく、暮らしやすく寿命の長い家でした。昔からの木造住宅の寿命が長かった理由はどこにあるのでしょうか?
自然素材によって湿度が調整されていた
昔からの木造住宅は天然木や漆喰、瓦などの自然素材が使われていました。これらの素材は全て共通して、空気中の水分を調整する性質を持っています。その為、家の中が高湿にならず、適度な湿度が維持されていました。
風通しが良かった
近年は建築費を節約する為、窓の少ない家が増えていますが、昔の木造住宅にはたくさんの窓が設けられていました。また、隙間から出入りする空気も多かったため、家の中の空気が常に循環する風通しの良い環境でした。
深い軒が紫外線や雨風から外壁を守った
深い軒には日射遮蔽という役割がありますが、その他に外壁を紫外線や雨風から守るという働きもします。紫外線によって外壁にクラックというひび割れができると、その部分から雨水が壁の内部に浸透し、やがて構造部の腐食に繋がってしまうと、木造住宅の寿命は短くなってしまいます。
これらの理由から昔からの木造住宅の中には、100年以上住み続けられている家も少なくありません。ただ、現代の家づくりにおいて、建材すべて自然素材を使うためには高額な費用がかかります。風通しの良さは必要ですが、隙間風の多い家では冬を暖かく過ごせません。外観デザインの好みから深い軒は付けたくないというご家族もいるでしょう。
それでは現代の家づくりの家づくりにおいて、寿命の長い木造住宅を実現する為にはどうしたら良いのでしょうか?
コラム 木造軸組み工法とはどんな工法? 2×4(ツーバイフォー)との違いは?
木造住宅の寿命を長くするために必要なこと
新築時の設計力や施工力と間取り、暮らし始めてからのメンテナンスという2つが必要です。現在の中古住宅の中には、まだ住めるのに放置されている住宅も数多くあります。まだ住めるのに住みたくなくなる家は、ある意味寿命の短い家です。そのような意味での寿命の短い家にしないためには、住宅の性能と暮らしやすさが求められます。
快適で安全な暮らしを生む住宅性能
日本には四季があり、暑さや寒さなど気候が変化します。その変化に応じて快適な室温を維持できる家にする為には断熱性と気密性が必要です。内部結露を起こさない適切な断熱性と気密性を備えた家にする為には、優れた施工力が求められます。
また、地震の多い日本においては耐震性も必要不可欠です。在来工法の木造住宅はツーバイフォーの住宅より耐震性が低いと言われることがありますが、そんなことはありません。確実に設計された木造住宅は、高い耐震性を備えることができます。過去の大地震で崩壊した木造住宅の多くは、内部結露やシロアリの被害によって、構造部が損傷を受けていた家であるというデータもあります。
参考資料 京都大学木質科学研究所 阪神大震災にみる住宅の腐朽およびシロアリ被害
可変性のある間取り
寿命の長い家とは家自体が劣化しにくいということに加えて、家族の暮らしやすさが持続することも必要です。その為には、ライフスタイルの変化に対応しやすい間取りが求められます。
子育てに備えて家を建てるというご家族が多いのですが、子どもはいつまでも幼い訳ではありません。ヨチヨチ歩きだった子供もやがて就学し、中学生、高校生へと成長していきます。子育て中にも子供の成長に伴って暮らしやすい間取りが変化しますが、子どもの独立によって、ライフステージが大きく変化します。
その後も、結婚した子供夫婦と一緒に住むようになったり、家を建てたご夫婦がリタイアする日がやってきたりと何度か生活の変化がおきます。そのような時に、ちょっとしたリフォームで新たなライフスタイルに合わせられる家は、寿命の長い家です。
暮らし始めてからのメンテナンス
その家に住む家族が年齢を重ねていくのと同じように、住宅も年齢を重ねていきます。その結果、屋根や外壁や水回りが劣化します。劣化した状態のままにしておくと、屋根や外壁から雨水が浸透する、浴室やキッチンから水漏れがおきるというようなことが起こってしまいます。
そうなってしまう前に、屋根や外壁の再塗装、浴室やキッチンの住宅設備機器の交換、床下のシロアリ消毒などのメンテナンスをすることが、木造住宅の寿命を長くします。新築時には、このようなメンテナンスも含め、引き渡し後も末永くお付き合いできる施工先を選ぶことも、木造住宅の寿命に影響します。
■ 注文住宅は「家族の暮らしにあった家を建てられる」家づくりです。家族の暮らしに最もあう家にする為には、間取りの決め方が重要です。間取りによって、家族の生活動線、日当たり、風通し、室温など家の中の環境、家族のコミュニケーションとプライバシーが変わります。ポイントを押さえた間取りを決め方について考えていきましょう。
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