木造住宅は“寒い”って本当?理由から対策まで徹底解説
半袖でも過ごせる陽気の日が増え、つい忘れてしまいがちですが、木造住宅に住んでいる方の中には冬の「寒さ」に悩まされている方も少なくないでしょう。
また、これからマイホームを建てようと考えている方で、「寒さ」を懸念して木造にするか決めかねているという方がいるかもしれません。
そこで、今回は木造住宅が「寒い」と思われてしまう理由や、その対策について詳しく解説します。
これからマイホーム計画を始める方はもちろん、今のお住まいをより快適にリノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。
コラムのポイント
- 「木造が寒い」と思われる理由は古い住宅の性能にあり、ポイントを押さえてプランニングすれば、冬でも暖かい住まいを実現させられます。
- 既存住宅においても、リノベーションで寒さを軽減することはできます。
- “ライズクリエーション”は、茨城県でお客様それぞれのライフスタイルにあった注文住宅や、スタイリッシュな建売住宅を数多く手掛けています。
Contents
木造住宅が“寒い”と言われる理由は?
「木造住宅=寒い」というイメージを持つ方は決して少なくありません。
確かに、古い家ですと冬になれば足元が冷え、暖房を付けてもなかなか温まらないという経験をしたことのある方も多いでしょう。
では、なぜ木造住宅は寒くなってしまうのでしょうか。
主に考えられる理由は5つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
断熱性が低い
住宅における断熱性の進歩は目まぐるしく、法令の改正に伴い、新築に求められる水準はどんどん高まっています。
今までの変遷を見ても、その差は明らかです。
【住宅における断熱性(UA値)基準の変遷】※地域区分6の場合
1980年
「省エネルギー基準」の制定(=「旧省エネ基準」断熱等性能等級2相当)UA値1.67
1992年
「省エネルギー基準」の改正(=「新省エネ基準」断熱等性能等級3相当)UA値1.54
1999年
「省エネルギー基準」の再改正(=「次世代省エネ基準」断熱等性能等級4相当)UA値0.87
2025年
「省エネ基準(断熱等性能等級4)適合義務化」UA値0.87が最低ラインに
UA値(外皮平均熱貫流率)とは、家の外気と触れる部分(外皮)を通して、どのくらい熱が逃げるかを示す数値です。
値が小さいほど熱が逃げにくく(断熱性が高く)、大きいほど熱が逃げやすい(断熱性が低い)ということになります。
築年数の古い住宅では、そもそも求められるUA値の基準が緩く、断熱性はそこまで重要視されてきませんでしたが、省エネ化の大切さが増すにつれて、求められる基準が厳しくなっているのです。
そのため、住宅の断熱性は新しければ新しいほど高いのが基本。
ただし、新築時に十分な性能を持っていたとしても、年数が経つにつれ、壁内結露によってグラスウールなどの繊維系断熱材が水分の重さでずれ落ちたり、劣化したりすることで、断熱欠損が生じている可能性もあります。
気密性が低い
日本の住宅は古くから“風通し”が重視されてきたため、気密性の重要性について注目が集まったのはそれほど昔ではありません。
また、スクラップ・アンド・ビルドの考え方が主流であったため、耐震技術も阪神淡路大震災(1995年)以前はまだ未発達で、構造体に敢えて隙間を作って地震力を分散させ被害を最小限に抑える手法が用いられていました。
つまり、冬にはそれらの隙間から冷たい外気が入り込んでくるということ。
そのため、どうしても築年数の古い木造住宅は「寒い」と思われがちなのです。
冷えると再び温まりにくい
木造住宅の構造体に用いられる“木”は、熱しにくく冷めにくいという性質を持ちます。
これは一見外気温の影響を受けにくいように感じるかもしれませんが、気密性・断熱性の低い住宅においては、「一度冷めてしまうとなかなか温まりにくい」ということを意味します。
朝起きてせっかく家を温めても、外出して夜に帰宅すれば、すっかり冷め切ってしまうという家も少なくありません。
ただし、逆を返せば、一度温めた室温を保つことさえできれば、省エネで寒くない住まいになるということです。
開口部からの熱損失が大きい
木造・非木造関わらず、窓周りからの熱損失は寒さに大きく影響します。
冬の寒さだけではなく、夏の暑さについても同様です。
空調機器の熱損失は、その半数以上が窓からとも言われており、開口部の断熱性が低いと、間違いなく家は「寒く・暑く」なってしまいます。
(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
室内の温度ムラが大きい
ひと昔前まで、空調における省エネの考え方は「人のいる場所だけ温める・涼しくする」というのが主流で、人のいる部屋だけエアコンやストーブで温度調節をしてきました。
しかし、この方法には落とし穴があり、人が出入りするたびに空気が一気に流れ出てしまい、室温が急激に変化してしまいます。
そのため、いくら真冬に部屋を温めても、家族の出入りが多いほど寒さを感じてしまうのです。
また、局所的な空調では、家全体を温めることはできず、どうしてもその効果が持続しません。
他の構造との違いは?
皆さんの中には、気密性の高い鉄筋コンクリート造や、外壁が分厚い鉄骨造の方が寒さを防げると思っている方もいるかもしれません。
確かに、気密性や外壁厚は寒さ軽減において重要ですが、問題は使っている材料にあります。
実は、木造住宅に使われる“木”は、建築材料の中でも特に断熱性の高い素材です。
それを証明するのが、「熱伝導率」の違い。
熱伝導率とは、冷たさや温かさの伝わりやすさを表す数値で、低いほど熱を伝えにくく、高いほど熱を伝えやすいことを示します。
では、主に建築材料として使われる素材の熱伝導率を比較してみましょう。
【建築材料に用いられる素材】 | 【熱伝導率】 (単位:W /(m・K) |
コンクリート | 1.6 |
鋼 | 55 |
アルミニウム | 210 |
天然木材(無垢材) | 0.12 |
木質系合板 | 0.16 |
これを見ても、木は他の材料と比べて段違いに「熱を伝えにくい」ということがお分かりいただけるでしょう。
つまり、本来、木造住宅は鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)と比較しても、寒くなりにくいはずなのです。
ですから、「寒くない・暑くない家」にこそ、木造は最適と言っても間違いないありません。
・家の断熱の基準と断熱を表す数値や工法の違い
・2025年から省エネ住宅が義務化に!法改正の内容を説明
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“寒くない”木造住宅にするためのポイントは?
最近建てられた住宅やこれから建てられる住宅は、断熱基準の引き上げによって「冬に寒い」「夏に暑い」という家は少なくなってきています。
しかし、立地や間取りによっては基準を最低限守っているだけで、まだまだ寒さ・暑さが気になるというケースもあります。
また、既存住宅においては、根本的な性能の見直しが必要です。
そこで、冬寒くない家にするための要素を紹介します。
家を建てる際には、これらのポイントがきちんと押さえられているか、しっかり確認してください。
高気密高断熱仕様にする
最近は当たり前になりつつある「高気密高断熱住宅」ですが、その性能に関する基準は曖昧で、省エネ基準を最低限クリアしている住宅から、最上クラスの性能を持つ住宅まで、レベルは様々です。
家の気密性・断熱性を高めれば高めるほどコストはかかってしまいますが、その分住み始めてからの光熱費削減や劣化防止につながるため、ご予算と相談してできるだけ高い性能を備えましょう。
窓枠や床・壁・天井の構造体隙間を気密テープで塞いだり、天井裏や床下、基礎周りに断熱材を施工すれば、外気温に影響されず、室温の空調熱を閉じ込めることができます。
窓サッシや玄関ドアなどには、高断熱性能を持つ製品を採用しましょう。
「費用をかけるなら設備機器や内装に使いたい」という方もいるかもしれませんが、家の気密性や断熱性を後からリノベーションで変えるとなると、かなり大掛かりな工事が必要となってしまいます。
防湿層・通気層で結露対策をする
寒さを防ぐ方法としてとても大きな意味を持つ「気密性・断熱性」ですが、家の寒さを軽減できたとしても、結露が起こっては家の劣化を早めてしまいます。
気密性と断熱性を高めたことで外気温の影響をブロックして内部の“表面結露”を防ぐことはできますが、外気温に近い壁内で起こった“内部結露”による湿気を逃さないと、構造体の普及やシロアリ被害を招いてしまうのです。
結露には、窓ガラスや壁表面の低温のところに発生する「表面結露」と、壁の内部で発生する「壁体内結露」の2種類があります。結露は頻繁に発生するとカビが大量に発生します。すると、ダニが繁殖し、さらにはダニの死骸などがアレルギー疾患の原因となります。
結露で特に怖いのは、目に見えない壁体内結露です。室内の水蒸気は、外壁の内装が水蒸気を透過させるものであれば、壁の内部に侵入します。冬の場合には、この水蒸気が断熱材の外気側の低温部分に到達し、露点以下になれば結露が発生します。壁体内結露が発生すると、結露した水は柱や土台を濡らし、それらを腐らせます。また、断熱材の性能低下などを引き起こしたりします。(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
この内部結露を防ぐ上で最も有効なのが、壁に防湿層と通気層を設ける方法です。
(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
高気密高断熱住宅と切っても切り離せないのが防湿層と通気層。
しかし、この工法は全てのハウスメーカー・工務店で“標準仕様”になっているという訳ではありません。
寒さ対策によって結露という弊害が起きては、快適な暮らしは送れません。
そのため、家を建てる際には、ぜひ施工店へ防湿層と通気層についても確認してください。
全熱交換器システムを導入する
住宅においても2003年より建築基準法の改正によって「24時間換気」が義務化されています。
そのため、壁などの給排気口を設けたり、常時換気システムを導入するのが当たり前になっています。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのが、換気による熱損失です。
いくら高気密な住宅であっても、換気によって空気が常に出入りしていては、どうしても寒さを感じてしまいます。
そこでおすすめなのが、「全熱交換器(熱交換気)システム」。
排気の際に汚れた空気と一緒に捨てていた熱を給気時に回収して室内に戻します。
熱回収により空調負荷を軽減でき、冷暖房コストを抑えます。
また、冬期では冷たい外気を室温に近づけて給気するので、冷たい空気が侵入する不快感を抑制します。
(引用:Panasonic)
全熱交換器システムによって、室内の空気を常に新鮮な状態に保ちつつも、屋外の寒さによる影響を最小限に抑えられるのです。
ただし、こちらもやはりオプションとしている会社が多いため、導入したい場合には必ず事前に確認してください。
・省エネ住宅とはどのような性能を持たせて建てる家?
・木造住宅は湿気対策を万全にして建築しなくてはならない理由
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既存住宅で寒さが気になる方には“断熱リフォーム”がおすすめ
「うちは古い住宅だから寒さは諦めるしかない」そう思うのは早いです。
断熱性の低い既存住宅であっても、冬の寒さを改善する方法はあります。
それが、“断熱リノベーション”。
天井・壁・床の断熱材を入れ替えたり、窓や玄関ドアを取り替えたりするなど、ある程度広範囲でリノベーションすれば、家の断熱性を大きく改善できるのです。
私たち“ライズクリエーション”では、新築チームの他に、リノベーションを専門としたチームもあるため、あなたの住まいに関するお悩みを丸ごと解決できます。
また、中古物件探しや資金計画のご提案も、それぞれ専門スタッフがお手伝いいたしますので、住み替えを検討している方もお気軽にご相談ください。
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せっかくマイホームを買うなら、ずっと住み続けられる家を選びたいですよね。
私たち“ライズクリエーション”は、注文住宅も建売住宅も手がける建築会社です。
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これら全てをワンストップで丸ごとお手伝いできる当社だからこそ、高品質の建売住宅をご提供できると自負しております。
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・ライズクリエーション新築|家づくりの流れ
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まとめ|新築住宅も既存住宅も“断熱”がポイント
「木造住宅は寒い」というイメージを持つ方はまだまだ多いですが、本来“木”は寒さを伝えにくい素材です。
そのため、家の断熱性を高めれば、一度温めた室温を長時間キープすることができます。
断熱性と合わせて外気の侵入をコントロールする気密性や換気システムも重要です。
結露対策も忘れてはいけません。
“冬暖かく夏涼しい家”を建てたい方は、今回紹介したポイントを踏まえ家づくりについてじっくり考えてみましょう。
既存住宅にお住まいの方も、リノベーションで断熱性を高めることもできます。
「何から始めればいいか分からない」という方は、まず“ライズクリエーション”までお問合せを。
茨城県南部と千葉県東部を中心に、数多くの建売住宅・注文住宅建設やリノベーションを行なっています。
「住みやすい家にしたい」という方は、ぜひ施工事例をご覧の上、お気軽にご相談ください。